読書

マインド

マインド―心の哲学 “心の哲学”入門書.前半は心身問題にかんする議論が手短に紹介されていてうれしかった.後半は心身問題にかかわるさまざまな問題が紹介されているけれども(自由意志,知覚,無意識,自己など)入門書であるためか少々,かたすかしをくっ…

陰摩羅鬼の瑕

吾,未だ生を知らず,いずくんぞ死を知らん. - 『陰摩羅鬼の瑕』を読む.ハイデガーの思想とがっぷり四つを期待して読みはじめたために肩透かしをくった.ハイデガーの思想はいわば風味づけのようなもので,基本にある素材は儒学の鬼神論であった.ハイデガ…

危機第9章,幾何学(2)

要旨は以下のようになるだろうか:フッサールは「自然の数学化」と「幾何学の空洞化」を批判する.イデアな世界を知るための幾何学を無批判にリアルな世界にあてはめるから幾何学の描き出すイデアな世界を自然の真の姿ととりちがえてしまう.そのうえ代数学…

危機第9章,幾何学

大森によれば,フッサールはたとえば『危機』において「経験世界での測量や計測が精密化されたのが幾何図形」であるとしたらしい.どういうことか. (関連:id:somamiti:20060901) - フッサールによれば,幾何学の根源は測量術(測定術,測地術)である. …

第六研究,存在

(モノゴトにかんする知覚や判断は,なんらかの形式 form にそって形づくられ表現される.たとえば「このカゴのなかにひとつのトマトがある」などとして.この表現では「がある」「ひとつの」「この」といった形式が用いられている.「がある」「ひとつの」…

第二研究,バークリ批判

『論理学研究』の第二研究.フッサールは三角形一般,赤一般といった普遍的対象(スペチエス Spezies)のことを問題にする.そのなかで三角形一般といった普遍的対象の存在を否定する主張(バークリー,ヒューム)を批判する. - フッサールは幾何学的証明に…

『論研』覚え書き

『論理学研究』マップ試案+私的メモ.走書き. - 全体のテーマ:学問とは主観 Subjekt(たとえば研究者)が客観 Objekt(たとえば研究対象)について,その「真理」を認識する営みといえるだろう(たとえば観測によりモノの真の姿にせまる.観測データと論…

「ハルヒ」シリーズ

当初,「ハルヒ」シリーズには小説についての小説,いわばメタ的小説という印象があった.しかしシリーズの後半(5巻の「雪山症候群」あたり)で主人公たちのグループであるSOS団が「われわれ」として位置づけられ,さらには「われわれ」に敵対する「敵」…

偶然性の精神病理(2)

内容整理のためのチャート【参照:id:somamiti:20060623,id:somamiti:20060705】. 「〈わたし〉を反省する」とき,反省される〈わたし〉は,同時に反省する〈わたし〉でもある.反省される〈わたし〉は「認識」の対象(客体,object)である.反省する〈わ…

偶然性の精神病理

- 『偶然性の精神病理』読了【精神疾患を理解する糧になるかと哲学的な本を読み耽っている身としてはスゴすぎてイヤになるような本でした】.

うそとパラドックス

内容整理のための抜書き.私用仕様で徒に長いです.

考える脳・考えない脳

『考える脳・考えない脳』(ISBN:4061495259)では,古典的計算主義とコネクショニズム,およびそれらにかんする議論(直観的判断,フレーム問題)の概説がなされたのち,心は古典的計算主義とコネクショニズムとの混合システムであるという著者の考えが展開…

チョコレートコスモス

サークルの『チョコレートコスモス』評の原稿が規定文字数を大幅に超えてしまった.ものを言わないでいるのもお腹が膨れてしかたないので原案をこちらへ.

蔵書整理(3)

▼未だ借りたままだった本(もしくは既成事実的にいただいてしまった本)

蔵書整理(2)

▼そういえば読んで(持って)いなかった本や作者

蔵書整理

▼持っていたはずなのにみあたらない本たちいとうせいこう『ノーライフキング』新潮文庫:そういえば『ワールド・エンド・ガーデン』も引越しの折りに友人にさしあげていて手元からは消えうせていた.『解体屋外伝』が復刊されたらまとめて購入しよう. 小林…

古都

『古都 (新潮文庫)』を読み終わる.疏水さんのお勧めのこと(四季折々の京都の風物が楽しめるという点だけでもよいですよ)もあって途中までは登場する地名や名勝を『歩く地図・京都』の解説とひきくらべながら読んでいた.寝ながらにしてちょっとした散歩や…

水没ピアノ

「少しは本を読んでおくべきだね。あなたはポール・オースターも知らないのか?」 「うるさい。『ムーン・パレス』は、タイトルだけ知っている」 - ちなみにソマミチはポール・オースターや『ムーン・パレス』という名詞をこの一節を目にして初めて知りまし…

危機(第一部)

第一部.長いです.

『知の構築とその呪縛』の解説

ちくま学芸文庫版の解説(野家啓一「「物活論」の復権」)のまとめ.【 】内はまとめというより解釈など.

族長の秋

【集英社「ラテンアメリカの文学13」(ISBN4081260133)】

エナメルを塗った魂の比重

またもや読書メモ.本日は『エナメルを塗った魂の比重』について.

舞姫通信

先日の日記(id:somamiti:20060206)で記した『舞姫通信』の読後感にかんして. - その感想は既視感ゆえのことだとおもう.

阿部一族・舞姫,ほか

『阿部一族・舞姫』(ISBN:4101020043)『山椒太夫・高瀬舟』(ISBN:4101020051)を読了.意外とカジュアルだな,というのが総じての感想.

レトリック認識

第6章

分裂病のはじまり

1950年代の精神医学の現状と,コンラートの研究スタンスについて.私的読書メモ: -

数学と直観(KDRV)

純粋理性批判,先験的方法論,第一章 / テーマ:数学と哲学の比較 / 主張:哲学は数学のマネはできない.

『純粋理性批判』入門

先日(id:somamiti:20051017)に引き続き『純粋理性批判』の入門書からのまとめ書き.

哲学原典資料集(KDRV)

「純粋理性批判」についてのまとめ.今度は『哲学原典資料集』(pp.141-150)を参考に. 「哲学マップ」では「カテゴリー」のみがア・プリオリな要素としてとりあげられていたようにおもう;「感性の形式」の要素がとりあげられていない【単に読み飛ばしたの…

『論理学』ほか(KDRV関連)

【KDRVとあるのは‘Kritik der Reinen Vernunft’すなわち「純粋理性批判」の略】