メモ
「かわいそうな女の子」はトラウマや力を捨てたくないのだという解釈には解釈者の内面,解釈者の視点が投影されているだろう.すべては「かわいそうな女の子」の動機が問題だ,というのはとても安易な考え方だ.トラウマや力を欲したのは私でもあるはずだ(…
環境のなかにいる私たちは環境を作り出しそれとかかわって生きている.精神もそんな環境の一つなのだろう.
デカルトの方法的懐疑,気になる箇所の抜書き.『世界の名著27 デカルト』中央公論社.
(サール『マインド 心の哲学』についてのメモ.id:somamiti:20061030) 心的現象,とりわけ意識には消去的還元はできない.このことを主張するにあたってサールは以下のように述べる:「もし私にとって意識の上で自分が意識しているように思えるのなら、私…
サールは以下のように述べる.心身問題における唯物論と二元論との対立のもとには還元をめぐる第2の混乱がある.それは消去的還元にかんするものだ. (サール『マインド 心の哲学』についてのメモ.id:somamiti:20061030)
先日の「内」にかんする引用の関連箇所.読書メモより.
疏水さんのところをみてはじめて京都で若冲展をやっていることを知った.これは見にゆきたい.
苦しまぎれに「精神的」を「非肉体的」などと記したが,演劇などのこと――そうではなくても,抑うつが現れるためには肉体(ないし文章や絵画などのメディア)が必要であること,たとえば蒲団にくるまって一日中横になっているということだって肉体を通さずに…
先日の日記に“この私”は私のもつ属性(性別,学歴,職業,年齢,趣味,……)の総和ではないという旨のことを記した.なぜなら“この私”はかけがえのない存在だから.とまあそれだけならよかったのだけれども,そこで集合などという用語をもちだしたのが下手の…
「本質」や「実体」という言葉にかんして.アリストテレス『形而上学』出隆訳,岩波文庫の訳注を参考に. 理性によって認識される「本質」あるいは「形相」とは「〜〜はそもそも何であるか」という問いの答えだったらしい.そういえば「カテゴリー」という語…
「知覚」とりわけ「見る」ことと「見られたもの」としての「形」――「見る」ことによる「エイドス」の認識.この図式が「直観」という概念を介して横滑りし,「理性」による「本質」の認識という図式となる. 知覚ひいては認識とは,まずは「見る」ことだとい…
『現象学事典』の「エイドス」「スペチエス」「本質」といった項をみると,これらがみな「見る」ことに関連していることがわかる.また「知覚」「直観」「イデアチオン」といった事柄もまた「見る」ことをモデルとしているようだ. それにしても「種」を意味…
では三角形一般が「語り存在」であるとして,私たちがそのような語り方を習得するのはどのようにしてなのか.普遍や一般が言語使用において言語的に意味制作されるとして,そのような言語使用はそもそもどのようにして可能になるのか. 「語り存在」といわれ…
存在するモノは言語の外に存在する.けれども存在の意味は,存在するものについての語りのなかにこめられている.この存在の意味はあくまで文脈的なものであり,辞書的定義のかたちではない.ある人の存在(存在の意味)にかんする知り方(知識にせよ知覚に…
(論研の記述を,大森のざっくばらんな記述の助けをかりて解釈) デカルトは千角形の例をとりあげ想像 imaginatio と知性 intellectio の区別をのべる.
『論理学研究』マップ試案+私的メモ.走書き. - 全体のテーマ:学問とは主観 Subjekt(たとえば研究者)が客観 Objekt(たとえば研究対象)について,その「真理」を認識する営みといえるだろう(たとえば観測によりモノの真の姿にせまる.観測データと論…
長め.
文献は読まずテキトーに(誤った記述が多いかもしれません).気がつけばかなり長め.
カントールの対角線論法がひきあいにだされていたのは第4章のことだった【関連:id:somamiti:20060419】
膠原病 collagen disease :1941年にクレンペラー P. Klemperer が提唱した疾患. クレンペラーは全身の複数の臓器に同時に炎症を起こし,臓器の機能障害をひき起こす疾患にかんして,なぜ一つの臓器だけでなくて炎症が全身に広がったのかに着目し,病理学的…
古くは,体のあちこちの運動器に疼痛が多発し,その痛みや炎症の症状が移動して(流れて)いくように感じられる状態をさしていった.リウマチ性疾患という用語は,このような移動性・多発性の運動器の疼痛を伴う疾患のほとんどすべてを含む.したがって,膠原…
街に出たついでに,ひさしぶりに本屋をのぞく.ちくま学芸文庫(ないしちくま文庫)のコーナーに気になる本が多々並んでいたのでメモ.
テツ先輩から学校の図書館にあるはずの幾つかの文献の複写を頼まれる.しかしその大半は分館に所蔵されていたもので,キャンパスの移転にともなって借りだすことができない状況になっていた.そこにあるはずの文献を借りだしたい旨を告げると「もうしわけあ…
【関連:id:somamiti:20051107】
パノフスキーは初期および盛期スコラ学の第一支配原理として〈マニフェスタティオ〉(顕示.manifestatio)すなわち明らかにすること,明瞭にすることを挙げる(『ゴシック建築とスコラ学 (ちくま学芸文庫)』pp.46-51.). トマス・アクイナスは以下のように…
- パノフスキーはスコラ学の支配原理として〈マニフェスタティオ〉すなわち明らかにすることを挙げる.この原理によってスコラ哲学の図式主義・形式主義が生じ,以下の3つの特徴をそなえた著作があらわれた.(1)全体性(十分な列挙) (2)相同(ホモロガ…
アーティキュレーション Artikulation, artikulieren( ← ラテン語,区切る) とグリード Glied, gliedern(区分けする,分節する,組織する) との関連におもいいたったのは,以下の箇所による:「肢体ある総合定立 artikulierten Synthesen」として,artik…
『論理学研究』が手元にとどいた.6月初頭の呼吸器の試験が終わるころから読み始めようとおもう. - “articulation(もしくは Artikulation)”という語がある.辞書をみるとさまざまな意味が載っている【メモ参照】.文脈に応じて「分節(化)」や「関節」と…
なお『多重人格探偵サイコ』11巻のセリフを借りれば,二重人格とは「日本では1919年以降数例しか報告されていないですが……欧米ではそれこそジキルとハイド氏が書かれた19世紀末に一度流行しその後姿を消したもののアメリカでは70年代に復活80年代に大流行し…
「はてな」によれば『四畳半襖の下張』とは「永井荷風の作と伝えられる小説。明治の三大発禁本の一つとして有名。1972年(昭和47年)作家・野坂昭如によって雑誌「面白半分」に掲載され、猥褻文書として摘発された。ただし擬古文で書かれていて、読んでも意…