2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ずれ

トラウマを癒し忘却し埋葬すること,あるいは色あせ古びてゆく思い出の領域に傷跡を追いやるための弔いをすること.語り手はそれを成さない.あるいは成しえない.なにがしかの感じやすさ Empfaenglichkeit ゆえに. id:somamiti:20050602 - そのように私は…

帰郷

「ハーフムーンが無くなっても、語り手の心の中にはハーフムーンが「もう無い場所」として生き続けているわけで、私がトラウマを克服した今、トラウマに惑わされ、苦しめられていた場所に戻ることは一切できません。」という箇所に触発されて. 関連:id:som…

夢の終わりに

ゲームのことを考える.あるいはファンタジーとリアリティ(リアルっぽさ)のことを.そうして夢のことを考える.

偶然×必然=運命

‘3回目の面接にも二人は同伴で訪れ,婚約者はこの事実を知っても結婚の意志は変わらないこと,そして,妹は遺伝子検査を受けずに「神様に運命を任せることにする」と決心したことを話してくれた’ - 籤について考えている.アナンケによって運命にしばられる…

薬と受容体のイメージ

ヒトなどの多細胞生物は細胞たちからなっている.そうした細胞たちが何らかの関係をとりもつことで全体として一つの体がなりたっている.一方,多細胞生物の体は‘水’で満ちている〔成人男子で体重の60%〕.細胞の外は‘水’で満たされ〔細胞外液:体重の40%…

Ipse dixit

ピュタゴラスは「数」は万物の本体で、かつ原理だと考えました。そうして「数」は真に判然と存在するものだといたしました。それ故ピュタゴラスの意見によると、「数」は万有を組み立てる元素でありました。どういうふうにしてこの過程を案出したかは満足に…

アトロピン

ベラドンナはマンドラゴラと並んで,古くから〈悪魔の草〉と呼ばれ,その強い毒性が恐れられた.イタリア・ルネサンス期にはベラドンナ(bella donna = 美しい淑女(伊))と呼ばれるようになった.ベネチアなどで女性がベラドンナの汁を化粧用に使ったから…

目的因

アリストテレスは物事をあらしめる原因を4つに分類する.1)形相因 formal cause:それはそもそも何であるか(Aの本質はなにか,そもそもなにゆえにAがAであると説明できるのか),2)質料因 material cause (なにからできているか,質料),3)作用因…

アトロポス

ほかに三人の女神が,等しい間隔をおいて輪になり,それぞれが玉座に腰をおろしていた.これはアナンケ【必然】の女神の娘,モイラ(運命の女神)たちであって,白衣をまとい,頭には花冠をいただいている.その名はラケシス,クロト,アトロポス.セイレン…

いまはもうない

ところで「それはもうありません」という肉屋の言葉はどこから出てきたのか.実にこの私自身からなのだ.2,3日前,私は彼女に「いちばん古い幼児体験はそのものとしてはもうありません.それは分析してみると「転移」と夢によってとって代わられているので…