Ipse dixit

ピュタゴラスは「数」は万物の本体で、かつ原理だと考えました。そうして「数」は真に判然と存在するものだといたしました。それ故ピュタゴラスの意見によると、「数」は万有を組み立てる元素でありました。どういうふうにしてこの過程を案出したかは満足に説明されてはいないが、世界の形態や、現象は、数からできたものだとしました。「単一」(Monad)すなわち単位が、すべての「数」の根源だと考えました。「二」という数は不完全で、増加と区分の本源でありました。「三」は全体の数だとされていました。というのは、その数には元始と中位と結末があるからであります。「四」は正方形を示すので、最上の完全であります。「十」は初めの四つの数の〆高を含んでいるので、すべての音楽上、及ぴ数学上の比例を含んで世界の法式を示しているとされました。(「ギリシア・ローマ神話―付インド・北欧神話 (岩波文庫)」 p.370)

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ギリシア神話における運命の女神(モイラ)はクロト,ラケシス,アトロポスの3姉妹だった.北欧神話では運命を司るのはノルンと呼ばれる女神たちでウルズール(過去),ヴェルダンディ(現在),スクルド(未来)の3人.上に記したピタゴラス先生の「三」にたいする見解とひきくらべ,おもしろさを感じた次第.