2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

形而上学的怪我

――それはきわめて単純な構造の小説ではあったが,書きはじめるためには,いくつかの問題点があった――それを植物が邪魔をするのだった.……,植物の持つ死と再生のイメージが森の規模でふくらむ,それがここにいることの苦痛となってわたしの胸を苦しくさせた…

複素平面に関するメモ

複素平面は実数軸と虚数軸からなる. 実数軸は数直線である.まず1,2,3・・・という「自然数」があった.これは眼の前に「ある」ものについての把握である. それからゼロ(0)についての思考がはじまる.すなわち「ない」ということについての思考(…

数学チック

子供のころ、厚紙で正多面体(プラトン立体)をつくっては日がな一日,眺めくらしていた. プラトン立体とは5つの正多面体のことだ。プラトン立体の幾何学的定義は「その表面を囲む全ての面が同じ形の正多角形で、各頂点への辺と面のつながり方も全く同じに…

本/アリス召還

彼女の顔が美しかったかどうか私にはわからない.左の眼はひきつれて落ちくぼんだ黒い穴としか言いようがなかったし,右の桃色のガラスのささった眼からは大量の血と一緒に,筋にぶらさがった眼球が流れ出して,青白い形の良い透きとおるような耳の下に,ま…

騙り

などいうことを今日、とある先輩に語っていたわけであるが、こうした考えはソマミチのオリジナルではない.引用の織物、オリジナルの騙りである。引用の織物である以上、これらの断片はすでにだれかによって語られている。そのように考えはじめると、発言す…

神経症と精神病/主体

精神分析は自律する近代的主体を前提している。 生れ落ちたとき、ヒトは己を自ら律することはできない(すくなくともそうした体験は「記憶」されない)。 それが、いつのまにやら「自分」(自らという区分)が生じ、自律した個人として生きるようになる。自…

精神病と神経症,ユング

フロイトの神経症理論は神経症の実体に適合していることは抜群だが,神経症患者を神経症患者たらしめているかれら特有のもののみかたに依存しすぎている.…….じつは神経症は日ごとにあらたに生産される,それもまさに神経症患者が自分の神経症理論によって…

ヒト

ヒト遺伝子数が予想よりすくなかった(約20000)というニュース. 「米国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)のフランシス・コリンズ所長は、「タンパク質をコーディングする遺伝子がこれほど少ない数で間に合っているとは驚きだが、皆こうして存在しているのだから、…

ウェブ

精神分析的な現代思想に生半可に慣れ親しんでいるためか、1つのパターンの発想しかできなくなっているようにおもう。そのパターンから零れ落ちてしまうものが見えなくなっているのではないか. たとえば,「帰る」「行く」について考えるときに、それを「失…

起源 = 目的

形而上学はより純粋,より端的な現前の実現をめざす.そこでは実現される現前の十全性の程度に応じた階層秩序がある.その頂点にたつのが「神」的なものである.それはいわゆる「神」にかぎらない. あらゆる存在は現前性という基準でランクづけられ,その頂…

言語/自己

ナルシスの鏡.やせ衰えてゆくエコー.エコーの声は死者の声.私は自ら己(その内面)を言語(鏡)によって把握する.しかし把握されたそれは私そのものではない.そもそも「私そのもの」という想定が言語の罠である気がしてならない. それを「罠」だという…

クレイジーキルト

なにかを語りはじめると,デリダだとかラカンとか,大文字の他者だとか超越論的シニフィアンだとか,そういう言葉を生半可な理解のまま持ちだして,現代思想的に自分の考えを騙りたがるみぐるしさ.#以前,学校のレポートに「超越的」と「超越論的」という…

手紙/呼びかけ

Web上にかぎったことではなく,日記的な,プライベートなテクストは,「書かれる」ということにおいて,すでに「読まれる」ことを想定している. しかし,テクストとは原理的に「いつも・すでに」読まれるものなのだとしても,プライベートなテクスト,ワタ…

彼方への疾走,世界の果て

あさひの最後の疾走と同時に想い起こされたのは「妖精族のむすめ」のラストシーンである.むすめのほうに振り返らないという描写はないが,むすめも決して振り返りはしなかっただろうと思える.あと,彼女らは故郷へ帰る喜びに満ちていて,むすめは生まれ育…

媒体

――眠れぬ夜に.「Aという(客観的な,オブジェクトな)原子の配列を再現することでA’という(主観的な,サブジェクトな)精神現象は「そっくりそのまま」「一対一対応で」再現される」という一文. 世界のある特定の在りかた(A)を再現すること.それはどの…

唯物論あるいは原子論,還元主義的思考について

▼2004/10/17 (日) 13:46:05 精神的なものは幻想にすぎず「本当に在るのは」原子の配列と物理法則に過ぎないという思考について. Aという原子の配列によって(あるいは対応して)A'という精神現象は一意的に生起する;Aという(客観的な,オブジェクトな)原…