エイドスなど

『現象学事典』の「エイドス」「スペチエス」「本質」といった項をみると,これらがみな「見る」ことに関連していることがわかる.また「知覚」「直観」「イデアチオン」といった事柄もまた「見る」ことをモデルとしているようだ. それにしても「種」を意味…

追記

では三角形一般が「語り存在」であるとして,私たちがそのような語り方を習得するのはどのようにしてなのか.普遍や一般が言語使用において言語的に意味制作されるとして,そのような言語使用はそもそもどのようにして可能になるのか. 「語り存在」といわれ…

大森とフッサール(2)

あなたの国はとても美しいけれど,でも好きじゃないんです. - 「フッセルは自分で幽霊を作り上げてそれとたたかっているように見える」という大森の見解にかんする覚え書.いつも以上に長文. - 上記の見解には共感をおぼえる.それはもちろんフッサールに…

危機第9章,幾何学(2)

要旨は以下のようになるだろうか:フッサールは「自然の数学化」と「幾何学の空洞化」を批判する.イデアな世界を知るための幾何学を無批判にリアルな世界にあてはめるから幾何学の描き出すイデアな世界を自然の真の姿ととりちがえてしまう.そのうえ代数学…

危機第9章,幾何学

大森によれば,フッサールはたとえば『危機』において「経験世界での測量や計測が精密化されたのが幾何図形」であるとしたらしい.どういうことか. (関連:id:somamiti:20060901) - フッサールによれば,幾何学の根源は測量術(測定術,測地術)である. …

第六研究,存在

(モノゴトにかんする知覚や判断は,なんらかの形式 form にそって形づくられ表現される.たとえば「このカゴのなかにひとつのトマトがある」などとして.この表現では「がある」「ひとつの」「この」といった形式が用いられている.「がある」「ひとつの」…

存在モノ語り

存在するモノは言語の外に存在する.けれども存在の意味は,存在するものについての語りのなかにこめられている.この存在の意味はあくまで文脈的なものであり,辞書的定義のかたちではない.ある人の存在(存在の意味)にかんする知り方(知識にせよ知覚に…

大森とフッサール

幾何学にかんする大森のフッサール批判,ひいては「フッセルは自分で幽霊を作り上げてそれとたたかっているように見える」という大森の見解について考えるために『論理学研究』におけるフッサールのバークリー批判(id:somamiti:20060830)を読む.【関連:i…

第一研究,千角形

(論研の記述を,大森のざっくばらんな記述の助けをかりて解釈) デカルトは千角形の例をとりあげ想像 imaginatio と知性 intellectio の区別をのべる.

第二研究,バークリ批判

『論理学研究』の第二研究.フッサールは三角形一般,赤一般といった普遍的対象(スペチエス Spezies)のことを問題にする.そのなかで三角形一般といった普遍的対象の存在を否定する主張(バークリー,ヒューム)を批判する. - フッサールは幾何学的証明に…

『論研』覚え書き

『論理学研究』マップ試案+私的メモ.走書き. - 全体のテーマ:学問とは主観 Subjekt(たとえば研究者)が客観 Objekt(たとえば研究対象)について,その「真理」を認識する営みといえるだろう(たとえば観測によりモノの真の姿にせまる.観測データと論…

いとしき望み

そんなことを言ったって,こうして来てるんだから,やっぱりすきなんだよ.なあ,やっぱり好きなんだ.(太陽と鉄) - 『論理学研究』読了.しかし内容を把握した実感はまるでなく,徒労感が昂じて鬱々とした日々をおくる.

5.連想(キーワード)【走りがき】

分裂病の軽症化.神経症から「人格障害」へ.離人症の消失(ないし「解離」への吸収).時代の変化と精神疾患の変化.「近代の病」としての分裂病(ないしヒステリー,神経症)( → 「現代の病」としての人格障害,解離性同一性障害).近代とデカルト.デカ…

4.文献

中島聡「現象学・存在論」『臨床精神医学講座』第24巻,精神医学研究方法,各論(精神病理学)II.(中山書店,1999) 木村敏「精神医学と現象学」『講座 現象学』第4巻,第6章(岩波書店,1980) 小出浩之「人工的な自明性のネガシオ」『分裂病論の現在』第…

3.展開:「自明性の喪失」から「他性」へ

【ありがち.古色蒼然――というより他人の褌.でも改めて読み返すと色々おもしろかった】

2.現象学的精神病理学

(各論は略)

1.精神医学における現象学

哲学としての現象学と精神医学における現象学的方法のちがい:精神病理学-現象学は「二人的」「前述語的」(中島[1999])(現象学とは【略】 → [id:somamiti:20050807#p1])

現象学と精神病理学

マニアックで長いです.「自明性の喪失」とか「現象学的精神病理学」とか.ほとんどレポートの下書き.

夜になっても

また、中学の同級生の男の子が今は十九か二十歳になっていて、あのガキどもが……と感心させられているのだが、優等生と自他共に認めていた連中にかぎって、肉付き立派に若太りの右翼になってるのは不思議である。こういう連中は決してフーテンになる気づかい…

「ハルヒ」シリーズ

当初,「ハルヒ」シリーズには小説についての小説,いわばメタ的小説という印象があった.しかしシリーズの後半(5巻の「雪山症候群」あたり)で主人公たちのグループであるSOS団が「われわれ」として位置づけられ,さらには「われわれ」に敵対する「敵」…

掃除

出かけるまえに部屋の掃除をする.すこし気持ちがよい. - 掃除ついでにGen-eさんからお借りしていた「ハルヒ」の感想にかこつけた連想【の切片】. - “名のみ”だとか“薄っぺらい”だとか,そのようなモノの見方しかできない己の空虚さを,いずれ何かで満たせ…

述語的同一視

長め.

夢こそがすべて?

ニキ・ド・サンファル展にゆく.“ナナ”シリーズよりも初期の作品のほうがより好み.足をはこんでもそのことには変わりは無い.けれども後期の作品のなかでも「髑髏」や“タロット・ガーデン”の「月」などの作品は良いなと感じた.「月」にかんしては作品その…

口に苦し

コーヒー酒をつくる.豆を漬けてよりおよそ三ヶ月が経過したのでそろそろ飲み頃ではないかと味見をする.それなりに飲めはするものの薬のような味わい(コーヒー豆を多めにしたためか,そもそも豆を焙りすぎたのか). コーヒーといえばコーヒーメーカーをつ…

心脳問題にかんして

文献は読まずテキトーに(誤った記述が多いかもしれません).気がつけばかなり長め.

書痴の処置

〜〜を読んでみたい,読んでみよう,読んだ.そういった言葉をここに記すことが多い.そのように記した書籍のうちおよそ6割はじっさいに読んでいるとおもう.すばらしい.けれども本を読んでいるあいだは大抵ものごとを考えていない.とくにムツカシイ本を読…

問題意識アフター

先日,現象学を専門にされている先生に会いにいった.現象学にかんしてお話をうかがうつもりがいつのまにやら話題は脳科学と倫理(ないし哲学)とのかかわりへ.ガザニガ『脳のなかの倫理――脳倫理学序説』(ISBN:4314009993)を紹介いただいたりNHKスペシャ…

本や感想など

縁あって演奏会を聴きにゆく.はじめてのことで刺激的だった.とりわけ指揮というものがあれほど全身を用いるものだとはおもっていなかった.指揮者の動きとオーケストラの演奏の関係を意識と身体のアナロジーとして解釈することはできるだろうか.そんなこ…

問題意識

縁あって現象学を研究しておられる先生と会うことになった.そのかかわりで2,3の本を薦められて読んでいる.うち以下の本は現象学の入門書として質・量ともに手ごろであると感じた.クラウス・ヘルト『20世紀の扉を開いた哲学――フッサール現象学入門』(ISB…

風景と青

藤田嗣治展をめあてに国立近代美術館に出かけたところ休日の翌日で休館日だった。 【関連:http://foujita.exh.jp/】 - いくつか古本屋をまわり以下の本を購入する:ジルボーグ『医学的心理学史』みすず書房(ISBN:4622022001)、宮原勇『図説・現代哲学で考…