口に苦し

コーヒー酒をつくる.豆を漬けてよりおよそ三ヶ月が経過したのでそろそろ飲み頃ではないかと味見をする.それなりに飲めはするものの薬のような味わい(コーヒー豆を多めにしたためか,そもそも豆を焙りすぎたのか).
コーヒーといえばコーヒーメーカーをつかって淹れるときの水に湯冷ましを使うようになった.水道水をそのまま使用した場合とくらべて格段に刺々しさがなくてよいようにおもう.

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ちかごろ出版された面白そうな本をテツ先輩から教えていただいたので備忘録:
ニコラ・アブラハム,マリア・トローク『狼男の言語標本―埋葬語法の精神分析法政大学出版局(3465円)(ISBN:4588008501):「フロイト精神分析に「裂け目」をもたらした「狼男」の症例を、体内化の概念から出発して入念に読み直し、彼の夢と症状とを解釈し直した革命的作品。狼男の多言語使用に着目し、ドイツ語、英語、ロシア語の間の連想的理解を通して、狼男の心的世界、自我の「地下埋葬室」に隠された「タブー語」を読み解く」とのこと【なお同じ著者の『表皮と核』の訳書が松籟社から刊行予定らしい】.
フランソワ・アンセルメ『脳と無意識』青土社(2730円)(ISBN:4791762894):「無意識、記憶、欲動、幻想など、抽象的に思えるものが、ニューロンを通して具体的なかたちを持つ。精神分析神経科学の成果を交差させ誕生した無意識と欲動の新たな生物学。「可塑性」から見えてくる脳科学の新しい可能性」.‘私はとりたてて関心はないけれどもソマミチ君はこういうのお好きでしょう’とのこと.

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近ごろは精神分析系の文献からは遠ざかっているので教えていただくことがありがたいながらも心苦しい.『精神分析の倫理』はあい変らず積読のままであるし『無意識の形成物』に至っては購入さえしていない【そもそもが訳書のおはなし】.
どうにも精神分析にはアンビバレンツな気持ちがある.肯定されれば疑いを差し挟みたくなる一方で否定されれば擁護したくなる.臨床のリアリティを得ればスタンスもいずれかに固まるのだろうか.

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似たようなジャンルの本を検索したところ藤田博史『人形愛の精神分析』(ISBN:4791762592)という本が青土社から4月に出ていたことを知った.値段は2310円.お手ごろかもしれない.

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いずれにせよ読みかけの本および積読書をある程度消化してから.