事後的な問い

‘ならば,xが生き残りyが絶滅したその理由を答えよ’
‘等しくaであるにもかかわらず条件Aにおいてxは生きyは死んだ.なぜだろう’

この問いに,以下の見解を応用して答えることもできるかもしれない:

サイコロを10回振ったときに(6,6,6,6,6,6,6,6,6,6)や(1,2,1,2,1,2,1,2,1,2)という目が出たのであれば「なぜ?」を問うのは「よい問い」だ.この場合は「「実際にこの目が出た」ということとは別個に,ある意味が与えられているからです.あらかじめ意味が与えられている目と,実際出た目が一致した,ということは,背後に何かあるはずだと疑う根拠になります」.一方,(4,6,3,2,5,1,3,5,2,6)という出目に対して,「なぜ?」を問うのは「悪い問い」だ.ここには「あらかじめ与えられた意味」はない;それを問うのが「よい問い」であるのは(4,6,3,2,5,1,3,5,2,6)という出目が「あらかじめ指定」されていて,かつ実際にその出目が出たときに限る.「よい問いは,ある出来事の結果について複数の指定法があって,それが一致したことにより問われる問いです」(引用・参考:『論理学がわかる事典』pp.34-35)

すでに‘xは生きyは死ぬ’という結果がある.その結果をみたうえで,あらためて「なぜ?」と問うの「事後的な問い」(p.38)ではないか.