感性と悟性

感性と悟性についての引用など.
感性は「心意識の受容性 = 心意識がなんらかの仕方で触発される限りにおいて表象を受けとる能力」である.それに対して,悟性は「認識の自発性 = みずから表象を生みだす能力」である.
「我々の直観は感性的直観以外のものではあり得ない」すなわち「我々が対象から触発される仕方以外のものを含まない」.一方,「感性的直観の対象を思惟する能力」は悟性である.
「感性がなければ対象はわれわれに与えられないだろうし,また悟性がなければいかなる対象も思惟されないだろう」.
対象の概念を感性化する(対象の概念に,直観された対象を与える)ことも,対象の直観を悟性化する(対象の直観を,それぞれの概念のもとに配分する)ことも,認識には必要となる.悟性と感性の協力によって認識がうまれる.
【B75-76】

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「感性によらなければ直観をもつことができない」,ゆえに「悟性は直観の能力ではない」.そして「直観によらないとすれば,あとは概念によって認識する仕方しかない」.ゆえに「悟性の認識,少なくとも人間悟性の認識は,例外なく概念による認識であり,直観的 intuitiv ではなくて論証的 diskursiv な認識である」.
【B92-93】

【直観と概念とが対比的に用いられているようだけれどもなぜだろう.また直観と表象とはそれぞれ何を指しているのだろうか.】

「概念は機能(Funktion)にもとづく.なお私のいう機能とは,種々の表象を1つの共通な表象のもとに集めて,これらの表象に秩序を与えるという統一作用を意味する」「直観以外のいかなる表象も直接に対象に関係することはできない.概念が直接に関係するのは対象そのものではなく対象についての何らかの表象である.すると判断は,対象の間接的認識であり,また対象の表象の表象である」【B93】

【なかなかウンザリする.区分するとこんな感じか;
表象には直観,概念などがある.
直観:対象に直接かかわる表象.
概念:対象に間接的にかかわる表象】

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【中断】