まがりみち

気がつけば生活が荒んでいた.なかなか,美しくはなれません.

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現代思想としてのギリシア哲学』に宮沢賢治の「小岩井農場」の一節がひかれていた.「それよりもこんなせはしい心象の明滅をつらね / すみやかなすみやかな万法流転のなかに / 小岩井のきれいな野はらや牧場の標本が / いかにも確かに継起するといふことが / どんなに新鮮な奇蹟だらう」.この清冽な一節と早春の雰囲気にもあやかって,しばらくはいい気持ちで過ごしていたのだけれども,気がつけば元の木阿弥.
と少しばかり自己嫌悪(?)気味な昨今ではありますが,「もうけつしてさびしくはない / なんべんさびしくないと云ったところで / またさびしくなるのは決まってゐる / けれどもここはこれでいいのだ」といった心もちで.
【それにしても新潮文庫版に収録されている「小岩井農場」はパート二からいきなりパート九へととんでいるのだけれども,パート三からパート八はどうなっているのだろうか】

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近ごろ読んでいる本はどれもこれも面白い.教養的なものにかぎっていえば,『考える脳・考えない脳』『自閉症からのメッセージ』(講談社現代新書),『時間と自己』(中公新書)が興味ぶかかった(新書ばかりですが).いずれも知っているようでいてよく知らなかった事柄について,あらためて解説をしていただいたような読後感だった.『考える脳・考えない脳』にかんしては下に読書メモ,いつものように私用仕様【判然としないながらもありがたみがありそうな事柄は,どうにもメモをとらないと気持ち悪いので】.このようなブログや読書メモをとることの積極的な意義を教えてくれるような本でした.