Red Cross Society

あけましておめでとうございました.

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このところ同年代の友人知人の就職や結婚の話が相次ぎなにかお祝いをしてさしあげたいとおもえども先だつものはなく連れ立って飲みに行けば支払いは先方もちで帰省した折りに親に無心をすれば妹のまえでお年玉の袋に包んで手渡し.

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そのような折り,本日たまたま献血カーをみかけたので久しぶりに献血をする.輸血によるウイルス等の感染のリスクを減らすためには少人数からの血液を輸血することが望ましい,ということなので400ml献血を申しでたものの,体重が基準に達しなかったため200ml献血ということに.なお記念品は400mlのものをいただきました【タオルと歯みがきセットでタオルを選択】.

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400ml献血を行なうためには体重が50kg以上であることが条件であるらしい【3年前には条件をクリアしていたのですが……】.体重が少ない = 血液量が少ない場合,血液を400ml抜くということが過度の負担になる恐れがあるからだろう.それにしてもなぜ50kgがボーダーなのだろうか.以下,それにかんするメモ.【少し関連:id:somamiti:20050609】

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平均的な成人男子の場合,体重の18%はタンパク質など,15%は脂肪,7%は塩類(骨のリン酸Ca含む)である.残りの60%が水分となる.体内の水分の内わけは以下のようになる:

全水分量 total body water (TBW) = 60%
細胞内液 intracellular fluid (ICF) = 40%
細胞外液 extracellular fluid (ECF) = 20%
血漿 plasma(血管のなかの水分) = ECF * 1/4 ( = 体重の5%)
間質液 interstitial fluid (ISF)(血管の外の水分)= ECF * 3/4

血液は血漿と血球(赤血球,白血球など)を含む.全血液量(血球 + 血漿) = 体重の約8%,となる.
体重50㎏の成人男子の場合,全血液量はその8% = およそ4lとなる.400mlはその10%に相当する.

たとえば手術や外傷による出血で循環血液量が減少した場合,静脈から心臓に還流する量の減少により,心拍出量の減少ならびに血圧低下が生じる(出血性低血圧).短時間に全血液量の15〜20%が出血すれば正常の血圧を維持することは困難であり,ショック(循環血液量減少性ショック)となる.ただし,これには出血量のみならずその時間経過も関係する.緩徐に出血した場合には交感神経系や腎による血圧維持作用が働くので血圧は比較的保たれる.

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200mlないし400ml献血の採血時間はおよそ10分〜15分.手術や外傷による出血よりも時間経過は緩徐だと予想されますが,一度に安全に採ることのできる血液の量としては全血液量の10%が妥当だ,ということなのかもしれません.