関係

雪が白くて夜が明るいですね.

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消化器のコースが始まり2週間ほどが過ぎ,予備知識の少なさにレポートも遅々として進みませんが,まあ長期戦の構えで.

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先日,境界例境界性人格障害など)の治療についての話を聞きました.本日のメモはその抜粋.‘主客未分化な二者関係’をめざして境界例者と治療者の欲望がカップリングするところが興味ぶかいというか業が深い.
【あるいはラカンの‘4つのディスクール’を連想したり】.

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「主客未分化な二者関係」とは少々違和感のある表現であるが,これは原初における乳児と母との関係を指しているとのこと:生まれて間もない乳児はまだ母を含めた外界から心的に独立した個体ではなく,自らの欲望を手にした主体でもない.外界と一体であるがゆえに自らに何かが欠けているという状態からも無縁であり,その意味において完全に満たされているかのような全能感をもつ.

「主客未分」な状態に「二者」も「関係」もなかろう――乳児と母とを「主客未分化」と措定しておきながらそこに「二者」すなわち「母子」の「関係」をみてとるあたり(そしてそれを欲するあたり)にこの概念の人工性がみてとれる,などとも思いますが,その一方で‘なんとなくワカル’気にさせられてしまうあたりがこの概念の興味ぶかいところです.【「未分化」といっても「一体」ではなく,主客が「分化しつつある」,あるいは「容易に転倒される」状態を指しているのでしょう.おそらく】.