数学的嗜好

本についての話など.

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先日,久しぶりに街に出たついでに古本屋を回った.そのとき買ったものに『影の現象学 (講談社学術文庫)』がある.ながいあいだ食わず嫌いをしていたが,読んでみると面白い.いくつかの夢の事例についてユング派的な解釈がなされている.精神分析とは解釈に用いる概念系は異なるにもかかわらず,その結果がある程度まで似る点が興味ぶかい.

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テツ先輩から私信にて『『パンセ』数学的思考 (理想の教室)』という本を薦められる.本の論旨は‘パスカルの思考の根源には無限と有限の対立についての,数学的な思索に基づいた鍛錬がある’というもので,‘無限と有限というのは,さらにいえば個別的なもの・可視的なものと形而上学的なものとの対立ともいえるかもしれない’.‘事実問題と権利問題についてのクリアーな説明なども載っていて、君にお勧めかもしれない’とのこと.読んでみようとおもう.
『パンセ』といえば初めて読んだ哲学書ということで思い入れがある【とはいえ印象にあるのは同じ本に収録されていたパスカルの伝記のことばかりで,当の『パンセ』の内容そのものはまるで記憶にないのですが】.これを機に読み返してみるのもよいだろう.

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以前,「バベルの図書館」についての話題で,『論理パラドクス―論証力を磨く99問』にそれに関する記述があることをid:sanjouhotaruさんから教えていただきました.以下,それに関するメモ.