天使のための音楽

もし,天使のための音楽があったとして,彼らは,我々のようにそれを時間系列のうちに展開して聞く必要はないかもしれない.我々で言う〈一瞬〉で,すべての音楽は終了してしまうかもしれない.(黒崎政男『カント『純粋理性批判』入門』p.111)

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冒頭の一節に触れて以降,『純粋理性批判』自体を読みたいという気持ちはより強くなった.そしてこの一節の背景である,『純粋理性批判』で提示されたカントの物事の見方には強い親近感をおぼえる.以前から抱いていた漠然とした考えに一つの用語系が示されたように感じる.