看護学入門

看護師の妹から看護学とくに在宅看護にかかわる文献を借りてきてくれと頼まれる.もうずいぶんまえから社会人としてきっちり生きておられる妹に,まだ当分は親のスネを囓りたおす予定の兄はまるで頭があがらない.‘ヘンダーソン’や‘オレム’なる方の文献があればそれもと頼まれる.どうやら看護学の重鎮らしいが心当たりはまるでない.

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看護学の歴史(参照:「看護学」『世界大百科事典』)
:1859年に F.ナイチンゲールが《看護覚書》を著し,それまでの経験主義的看護に科学性を追求し,看護を学問として構築する礎を築いた.その後アメリカにおいて,1950年代から,看護を学問として理論化する動きが幾人かの看護研究の先駆者たちによって行われてきた.代表的なものとしては,ヘンダーソン Virginia Henderson (1897‐1996) とペプロー Hirdegard E. Peplau (1909‐1999) の主張をあげることができる.ヘンダーソンは人間の基本的欲求に注目し,看護師がこの個人のニーズを満たす働きをすることを重視し,いわゆる〈ニーズ論〉による看護を提唱した.一方ペプローは〈成長発達理論〉と〈人間関係論〉の立場から,看護師と患者の個別性を重視し,相互作用的人間関係の発展過程に注目し,看護における対人関係の展開の技術の重要性を強調している.

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なるほど.‘オレムは知らなくてもヘンダーソンくらいは’などと云われるわけだ.どうやらヘンダーソン(V.Henderson),ロイ(Sr.C.Roy),オレム(D.Orem),ペプロウ(H.Peplau)といった方々が著名な看護理論家であるらしい.

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文献探索の結果,兄としての矜持はどうにか保てそうである.図書館は私がもつ唯一の呪術なのだ.