オルガン

臓器.organ.これを「オルガン」と発音するのが好きです.メカニクスと音楽.
内と外,あるいは内と界面についてという文脈からみると「脾臓」というのは興味ぶかい臓器 organ です.

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他人がすでに考えたことを考えてしまうということ,そこに拘ってしまうことの背景には,一つには若さゆえの功名心なり,ユニークでオリジナルなものとして自(あるいは)他に認められたいという気持ちなりがあるだろう.

しかし今一つ.目の前でおこるあらゆることを分析・解釈・読解するための考え,解釈の道具立てが,すでに他の人からの(それと知らぬまの)引用であるということは,「世界を自分の目でみる」ということ、「世界を自分の目でみて自分の言葉で語る」ということにとって,致命的だ.

私の眼に映る世界が,またそれを語るコトバが,すでに他人によって生されたものだとしたら,「他でもないこの私」が眼や口をもつことの「価値」はとりたててなく,私が殊更に「世界」にいておしゃべりをする「必要」もないです.そうした「価値」や「必要」への未練をスッパリ断つことができればきっとそれが一人前の大人なのでしょうが,そうした未練を断つことは私にはできません.
とはいえ,肉体的な欲求や友情に恋に愛など,そうした,いわば“アニマル・ロジック”としてナマモノとしてのヒトに具わっている世界の見方(あるいは世界との関係のもちかた)についていえば,他のヒトとおそらくは同様なのですが.さてはて.

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古本には時おり前の持ち主のメモがはさまっていることもあり,自分が興味をいだいた本をすでにお読みになられた方のそうしたメモはまるで自分あての手紙のようで,面映いながらも慰められます.